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安井浩明「難病のあなたへ」

小児がんを経験した方は、医療や福祉の仕事をされることが多いそうです。優しい心とあたたかい手で、たくさんの方のケアをしてくださることでしょう。小児がんを経験された方の笑顔は、私にとってダイヤモンドの輝きのようにまぶしく感じられます。彼らを見ていると、病気になったことは不幸で終わってしまったことではなかったと思いました。

あなたは辛い道を歩いておられます。 多くの人が信じているように、幸福とは健康に恵まれ、何不自由なく暮らしていくことだとしたら、確かにあなたは不幸だということになるでしょう。でも、あなたは本当に幸福になれないのでしょうか。そうだとしたら、あなたと同じように難病やその他にも治りにくいさまざまな病気や重い障害を背負った人々も、やはり幸福になることはできないのでしょうか。

難病を背負った人は、確かにとても険しい道を歩いています。 もしあなたが安易に不安、恐れ、絶望、恨み、自爆自棄の気持ちを強めるようなことがあれば、その時あなたの歩みは下り坂に踏み入っているのです。歩くのはたやすいかもしれませんが、進めば進むほど光から遠ざかり、暗く寂しい世界へ入っていきます。それはあなたの歩むべき道ではありません。あなたはそんな所へ行くために、この地上に生まれてきたのではありません。

あなたは難病を背負って心に大きな傷を負ったかもしれない。 でも、どうか心の窓を思いっきり開けてください。心の窓を開け、あなたに向けられたあなたのまわりの人たちの愛をまっすぐに受け入れて下さい。そうすればその愛があなたの魂の奥深くまで染み渡り、傷を癒してくれるでしょう。以前はうつろな響きを持っていたかもしれない愛という言葉の本当の意味が分かるようになるでしょう。

肉体は難病でも、魂は肉体に束縛されません。 魂の傷は癒されるのだということを忘れないで下さい。自ら深い苦悩を知った者は、それだけよりよく他の人の苦しみをわがことのように感じることが出来るようになります。自らの病気を受け入れるだけでなく、苦しみ悩む人たちの立場になって考えることができ、そのような人々への思いやりや優しさが持てるようになった時、その時、その人の心はより一段と純粋な輝きを帯びてきます。

そして幸福の条件として一番大切なことは、実は人に愛をいっぱい与えることのできる大きな心を持つことであると知ることでしょう。その時あなたは、その険しい道の上り坂をしっかりと光あふれる頂上めざして進んでいるのです。

この宇宙で人が目指すべき本当に価値のある唯一の、そして永遠の財産、それは神の愛を受け、まばゆく輝くことのできるダイヤモンドのような透き通った魂であることをどうか知ってください。ダイヤモンドの原石であるあなたの魂を、試練の道を通り磨き上げ、輝かせること、それこそがあなたの生きる目的、まさにこの世に生まれてきた目的なのです。

きっとあなたはできます。

堀川病院(京都市上京区)  内科医  安井 浩明
 

『PHP』 平成9年7月臨時増刊号よりふわふわ。り

作成:2009-11-26 21:05:50    更新:2009-11-26 21:05:50
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