輝く子どもたち 小児白血病 完治の記録
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晴佐久昌英「苦しいときは」

どんなに苦しくても、治療中の息子はもっとつらいんだと思うと弱音を吐けませんでした。私が頑張らなくてどうするの、私はいつも明るく過ごさなければ・・・強い母であろうと無理をしていたとき、「何もしなくていいよ」という言葉によって優しく包まれたようでした。弱い自分でもいいんだ、頑張らなくてもいいんだ、ありのままの自分で子どもと向き合えばいいんだと教えてくれたような気がしました。

苦しいときは 今をよく考えるといいよ
自分だけのちっぽけな物語を
それが壊されて苦しんでいるもろい心を
それらを包みこむ大きな物語がきっとあることを
よく考えるといいよ
だれにも分かってもらえないはずのこの苦しみと
同じ苦しみを今この時耐えている友がいて
深い祈りの世界で結ばれていることを
よく考えるといいよ
自分はもう十分に苦しんだこと
苦しみながらも今ここに生きていること
苦しんだ者だけが放つ輝きに包まれていることを

苦しいときは 明日を夢見るといいよ
いつかすべてを月日が洗い清めて
こころにひとかけらのけがれも痛みもなく
晴れわたった雪山の青空のようになれる日を
ふわふわ。り夢見るといいよ
苦しみ抜いた末に優しさのちからを知り
苦しむ人の気持ちが痛いほど分かるようになり
涙にくれるだれかの隣にそっと寄り添える日を
夢見るといいよ

苦しみはいつか
喜びにかわると身をもって知り
あの最もつらかった一日こそが
最もありがたい一日だったと
感謝できる日を

それでも苦しいときは
もう何もしなくていいよ
歩けないなら歩かなくていいよ
弱ったその身そのままで
黙って座っていていいよ
冬眠に入った天道虫のように
小さく丸くなって 何もしなくていいよ
今日も揺れ騒ぐ波の底に貝は眠り
風わたる樹々をおおい星空はめぐる
人はすべてのいのちと結ばれているから
何もしなくていいよ


晴佐久昌英・著  だいじょうぶだよより引用

本の紹介

「星言葉」で多くの人々を励まし反響を及ぼした著者の、さらなる優しさと苦しみへの共感から生まれ出た詩の数々。「初雪」「病気になったら」「贈りもの」「クリスマスの夜は」など、32の福音詩を収録する。 (Amazonより引用)
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作成:2009-11-26 20:55:35    更新:2009-11-26 20:55:35
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