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次男の本音

プレパレーションは、子供がこれから直面する、体験する事態によってもたらされるであろう心理的混乱に対して、説明をすることによりネガティブな反応を最小限に、あるいは緩和されるように工夫し、子供がその事態にその子なりに向かい、乗り越えられるように子供の対処能力、頑張りを引き出していくようなケアをし、子供の健やかな発達を支援していくことである。
小児看護 2006年5月号 より

明日は外来で大嫌いなお尻の筋肉注射(ロイナーゼの投与)があります。いつもは直前まで筋肉注射があることを隠し、ごまかし続けているのですが、今回はしっかりと説明しようと思いました。というのも、次男が保育所生活を詳しく話すようになり、いろんなことが「理解」できると思ったからです。

「ぼくは病気じゃないけど、病院に行って注射をしなければいけない」と矛盾したままではなく、病気と治療の説明をしようと考えたのです。「プレパレーションの理論と実際」を総特集した雑誌をとてもよいタイミングで書店に行ったときに見つけました。

子供たちを自分の両側に座らせ、「君と白血病」を開き、まずは血液の働きから話を始めました。よしきは理解できているようでしたが、かずきは・・・・・・難しいところです。わかっているようで、頭の中で整理されていない。私の説明が悪いのかもしれない・・・。それでも話を進めていくと、よしきは眠くなったと目をこすります。まだ難しいかな。

それで、話を切り替えて今までやってきた注射(手の甲からルートをとること、ルンバール、マルク、お尻の筋肉注射)をぬいぐるみを使ってどのようにしているか説明しました。

するとかずきはうつ伏のぬいぐるみを力いっぱい抑え付けて言いました。
「看護婦さん、いっつもこうやってやるんやて」

そのとたん、何かを思い出したように私の手をしっかりと握り締め頬をつけました。その表情は恐怖に脅えていました。
「・・・・・・こわい・・・・・看護婦さん・・・・・ぎゅーっ、って、抑えるもん。でも、もうお尻の注射はないでしょ?」

胸が詰まりました。注射をすることを話して悲しくならないか、直前まで何も知らないほうがいいのかもしれない・・・・。しかし本当のことを告げました。
「ごめんね、明日からまたお尻の注射があるんだよ」

次男は握る手に一層力が入ります。
「だって、もうないって言ってたやん」
「5歳のお誕生日になるまでは病院に行かないといけないし、お尻の注射もまだ何回かあるんだよ」
「・・・・・お母さんも一緒?」
「うん、そうだよ。一緒にいるよ。看護婦さんはあなたが動かないように抑えていてくれるんだよ。注射したときに動いて違う場所に刺さったり針が折れると大変だから。痛いよね、嫌だよね。お母さんも一緒だからね」
次男は私の腕の中に入って小さくなっていました。

プレパレーションができるような技術もないけど、なんとか挑戦してみました。これがプレパレーションだとは言えませんが、これを通してかずきの心の中を知ることができました。注射の痛み、親から切り離されることや抑え付けられることの恐怖感が、この子の小さな心の中に隠されていたかと思うと、自分が情けなくなりました。もっと早くに聴いてやれなくてごめんね。一緒に乗り越えていこうね。 

作成:2006-4-23 0:00:00    更新:2011-9-3 13:40:26
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