もずねこちょうど4年前の出来事。次男の定期検診で病院に行ったとき、小児科外来の廊下で小学4年生の女の子が泣いていました。隣にいたお母さんから話を聞くと、採血で2回とも失敗したので、怖くてもうイヤだというのです。兄弟が帰っ てくる時間も迫っているため、お母さんは少し苛立ちながら娘さんを説得していました。お母さんの気持ちも、娘さんの気持ちもわかるな・・・。


私は、彼女の目線より下になるよう向かい合って腰をおろしました。「どこを刺されたの?痛かったでしょう」話し出す私に最初は警戒していました。


「痛いよね、イヤだよね。もう採血なんてしたくないよね。私も注射大嫌いよ。自分が注射するときは、怖くて刺されるところ見れないもの。この前、インフルエンザの予防接種したときも『イテテテテ!』って声を出しちゃったのよ。息子たちは痛いとも言わなかったのに、お母さんの私がこんなんだものね。痛いときは大きな声で、痛い!って言っていいんだよ。次は痛くないように注射する場所をかえても らったり、赤ちゃん針にしてもらうといいかもよ。お母さんにも手をつないでもらって、そばにいてもらえばいいからね。お母さんも一緒だから、大丈夫だよ。あなただったらできるよ」


彼女の背中をさすり、表情の変化を見ながらゆっくり時間をかけて話しました。


もずねこ「じゃあ、やってみようか」お母さんの言葉に、彼女は重い腰をゆっくり上げて自ら処置室に向かいました。しかし、先生が食事に行かれたので待つことに。彼女の表情が和らいだのがわかり、私もほっとしました。

「よかったじゃない。先生がお腹すかせて、手が震えちゃったらイヤだもんね。きっと大丈夫よ」彼女の腕をさすり、その親子と別れました。


1時間ほどしてから、女の子のお母さんが「今度は痛くなかったそうです。ありがとうございました」と嬉しそうに話してくださいました。


子どもたちはみんな、がんばる力をもっていると思う。それを引き出すには、「がんばって!」という声掛けは逆効果。子どもの心に寄り添い、共感する。そして、泣いたり痛いと叫んだりしてもいいことを伝える。その上で、協力してほしいことはしっかり伝えることが大事なんじゃないかと思う。もちろん、処置が終わってからも子どもと向き合い、次へとつなげることができればいいかな。