治療終了後の支援

長期寛解維持・治癒の場合の支援

ようやく治療から開放されても、病院との縁が切れるわけではない。治療が終わってもすぐに病気になる前の状態に戻れるわけではないが、まわりの要求は急に高度になったりする。子どもはそのギャップに苦しむと同時に、元に戻れないことにも苦しむ。しかも、闘病中より、ほかの人(医療スタッフなど)に相談する機会は減る。今後、もっとも支援を要するのは、この時期の子どもたちだと考える。

小児がんの子どもは治療を終了した後も、長期にわたる経過観察が必要なため外来でのフォローアップを必要とする。本当の病名を告げられていない子どもは、健康上の問題がないにもかかわらず病院に行くことに疑問をもつ。子どもに本当の病名を説明することに躊躇する保護者は少なくない。そのような保護者の胸中を十分に汲みとった上で、子どもにとって何がベストかを医療者や教師がともに話し合う必要がある。

原疾患の再発

治療が終わってしばらくは、子どもも両親も再発の不安が残るが、治療終了から約3年を過ぎれば、その可能性は低くなる。保護者は治療終了後数年を経過していても再発の不安をもっている。

晩期障害(晩期合併症)

必ず出現するわけではないが、治療終了後も長期にわたって経過をみていく必要がある。

進学・就職

「小児がん=不治の病」という誤った社会の認識のなかで、病名を書くことが不利に働くことが多い。ただ、医療関係の仕事に従事している本人のなかには、病気を経験したことを話す人たちも多く、逆に「いい援助者となるでしょう」と評価されたという人も少なくない。この場合には、話したほうがよいほうに働いたことになる。

健康状態にまったく問題がなく、働くことに支障がない場合には、病気のことを聞かれてもいないのに説明する必要があるかどうかを本人と話し合う。本人のなかには、「病気をしたことを絶対に隠したくない」という人も少なくないからです。そのようなときは、メリットとデメリットをいっしょに確認しながら、答えを見つけて生きます。最終的には、「あえて聞かれてもいないことを言わなくてもいい」と思う人が多い。

進学等の際、本人・家族の了解のもとに病名を連絡するときは、病名だけでなく、現在の小児がんの治療成績の向上や、本人が闘病によって得た人間的な成長等も書き添えていただきたいと思う。子どもの個性を生かして、興味のある得意な分野を伸ばす指導をお願いしたい。

確かに、体力的なものを比べれば、劣ることもあるだろう。しかし、苦しみのなかで身につけた強さと優しさは誇れる。など、マイナス面だけでなく、プラス面にもしっかりと目を向けてほしい。エリートコースを歩むことが本当の幸せではないように思う。つまづきながら、苦労して歩いていく人生だから、得るものも大きいように感じる。

結婚

結婚にはお互いの家族が関係することもあり、「小児がんの概往」が大きなハンディとなってしまう。

小児がんが治るようになって、結婚・出産を経験する人が増えている。従来の白血病に対する抗がん剤治療後に妊娠する人の割合は低くなく、生まれた子どもの特別な異常も報告されていない。全身の放射線照射を併用した造血幹細胞移植では、妊娠困難と思われていたが、母子ともに元気で出産した報告も増えた。健康と思われる人に子どもができない場合もあるので、小児がんの治療法によって妊娠率がどの程度異なるのかも含めて、今後検討すべき課題である。

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