痛みの表現と対処法

子どもの「痛み」を緩和するには

子どもの痛みには、純粋に痛いという感覚のみでなく、緊張、不安、怒り、恐怖などの情緒的因子反応が複雑に絡み合います。特に乳幼児期は、養育者の心因反応が直接または間接的に子どもに影響します。子どもの痛みの緩和を考慮した時に、母親の存在は重要であり、心理的・情緒的安定性を子どもにもたらします。また、母親の不安は子どもに対して不安を助長し、痛みの表現が増強します。

このような意味で、以前は当たり前であった、処置中の子どもを母親から隔離することは現在は問題視されています。実際に、処置中に母親が子どもに寄り添うことで子どもが暴れたり泣き叫ぶことが少なくなったり、注射をする時に手を前に差し出したりするなどの子どもの対処行動が多く見られたり、また母親の小児医療に対する理解が得られるなどの一面が報告されています。

痛みに関与する要因

状況的要因(予想、コントロール、関連性)、学習的要因(対処様式、明らかな苦痛、親の反応)、情緒的要因(恐怖、怒り、欲求不満)などの多くの要素が関与し、痛みとして表現されます。痛みの表現法には個人差があり、そのレベルを単純に比較することはできません。しかし、痛みを訴えるということは何らかの身体的・心理的機能の警告を意味し、それを無視することはできないのです。痛みはさらに不安や緊張を助長し、心身の生理的機能に影響を及ぼし、表現される痛みはさらに増強する、という痛みの悪循環を引き起こします。

この悪循環を断ち切るためにはペインコントロール(疼痛緩和・疼痛管理)が必要です。主には薬物学的コントロールですが、心理的要因へのアプローチとして、欧米を中心に子どものディストラクション(不安や緊張の非薬物学的緩和法)が研究されてきました。その主な効果として、以下のようなものがあります。

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