骨髄移植と適応(急性リンパ性白血病・ALL)

移植の適応

移植適応の年齢

移植適応の病期

病期 リスク 同種移植 自家移植
HLA適合同胞 非血縁
初回寛解期 低リスク
標準リスク
移植を勧めない
高リスク 積極的に移植を勧める 移植を考慮する 臨床試験として実施
第二寛解期 早期再発
晩期再発 移植を考慮する
第三寛解期以降   積極的に移植を勧める

高リスク群はt(9;22)あるいはbcr-abl陽性、11q23あるいはMLL陽性、ステロイド反応性不良例、寛解遅延例(治療開始6週以降)。

初回
寛解期
Ph1 ALL 造血幹細胞移植の成績が化学療法に勝っているため、初回寛解期から適応。
11q23転座 初回寛解期における造血幹細胞移植の適応となる。
MLL再構成 MLL遺伝子再構成t(4;11)、t(9;11)、t(11;19)などで認められる。初回寛解期における造血幹細胞移植の適応となる。
ステロイド反応性不良群 ステロイドを1週間投与した後の8日目の末梢血芽球数が1,000μLを超える症例の初回寛解期における造血幹細胞移植の適応となる。
寛解遅延例 
(治療開始6週以降)
初回寛解導入療法への反応性が不良である群も、病型にかかわらず造血幹細胞移植の適応となる。
第二
寛解期
早期再発例 早期再発の定義は論文によって異なっており、診断後30ヶ月以内、初回寛解期が2年以内、治療終了後6ヶ月以内あるいは12ヶ月以内などの基準が用いられている。非血縁者間骨髄移植を含めて、すべて造血幹細胞移植の適応である。
晩期再発例 個々の症例における移植後のQOLを考慮したうえで、睾丸再発などの予後良好群を除き一般に造血幹細胞移植の適応である。
第三寛解期以降 全例が造血幹細胞移植の適応となる。

移植幹細胞ソースと評価

HLA一致同胞骨髄 すべての病型、病期に適応。5年生存率・・・初回寛解期73%、第二寛解期72%、非寛解期13%。
HLA一致血縁骨髄 HLA一致同胞間移植と遜色ない成績が得られているが、症例数は少ないため移植関連合併症について厳密な比較が行われていない。個々の症例で慎重に適応を検討する必要がある。
HLA1抗原不一致血縁骨髄  
HLA一致非血縁骨髄 HLA一致同胞骨髄と遜色ない成績が得られている。5年生存率・・・初回寛解期64%、第二寛解期73%、非寛解期32%。いずれも有意差なし。
自家骨髄 5年無病生存率
初回寛解期57%、第二寛解期45%
晩期再発例の第二寛解期においては、HLA一致同胞あるいは非血縁者間骨髄移植と比較しても遜色なく、適応としてもよい。
Ph1陽性例や11q23陽性例においては、治療後の晩期障害を考慮して適応を決定する。
自家末梢血幹細胞 5年無病生存率
初回寛解期73%、第二寛解期72%
同種末梢血幹細胞 施行例は小児においてはまだ少数である。
血縁/非血臍帯血 移植細胞が速やかに得られることや、GVHDの合併症が少ないなどの利点があるが、現時点では他の移植幹細胞ソースと比較できるだけのデータの集積に乏しい。
HLA2抗原不一致CD34陽性細胞
HLA3抗原不一致CD34陽性細胞
血縁者からのCD34陽性細胞移植は、重症感染症の合併や生着不全が多く、その適応については慎重な判断を要する。
引用

日本造血細胞移植学会 「移植療法の適応」
このページは日本造血細胞移植学会事務局にて内容確認後、2005年12月に転載許可を頂きました。