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急性リンパ性白血病(ALL)

急性リンパ性白血病とは

血液と骨髄のがんです。急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ性白血病、ALLとも呼ばれます。小児において最も多いタイプの白血病です。ALLでは過度に多くの幹細胞がリンパ球と呼ばれる白血球の一種になります。治療されない場合、通常迅速に増悪します。

ALLにおけるリンパ芽球または白血病細胞は異常で、健常な白血球にはなりません。白血病細胞は正常に機能することができず、血液と骨髄中で増加するため、健常な白血球、赤血球、血小板の余地が少なくなります。これが起こると感染、貧血、易出血性の生じることがあります。白血病細胞は血液の外側の中枢神経系(脳および脊髄)、皮膚、歯肉を含めた体の他の部分まで拡がることがあります。

小児ALLの分類

芽球のペルオキシダーゼ染色の陽性率が3%未満

B前駆細胞型白血病 (L1)

  • リンパ球がBリンパ球に十分成熟する前にがん化したもの。
  • 小型で,核小体が不明瞭な均一の細胞からなる。
  • 小児期(2〜6歳に好発)に最も多いタイプ。男児がやや多い。
  • CD10陽性が典型的。CD34もしばしば陽性となる。

T細胞型白血病 (L2)

  • リンパ球がTリンパ球まで成熟してからがん化したもの。
  • 大型で核小体明瞭な芽球が主体の大小不同の細胞からなる。
  • 成人に多い。小児では年長の男児に多い。
  • 細胞表面CD3または細胞質内CD3(cCD3)陽性が必須である。
  • そのほか、CD2、CD5、CD7、CD4、CD8がなどが陽性になる。
  • CD10が陽性になることもあり、この場合は予後良好という報告がある。

成熟B細胞型白血病 (L3)

  • リンパ球がTリンパ球まで成熟してからがん化したもの。
  • 好塩基性の胞体に空胞形成が目立ち、核小体明瞭な特徴のある大型細胞。
  • 必ずB細胞型であり,CD10、CD19に加えて細胞表面免疫グロブリン陽性が必須。
  • t(8 ; 14)(q24 ; q32)の染色体異常を示し,8番染色体のc-mycと14番染色体の免疫グロブリン重鎖遺伝子の融合遺伝子を生じている。バーキット型。

小児ALLの予後因子

小児白血病の予後を予測する因子は古くから研究が進んでおり、特に急性リンパ性白血病では予後因子による治療の層別化が広く行われている。詳しくは「小児白血病・リンパ腫の診療ガイドライン 2007年版」に掲載されています。

発症年齢と白血球数
初発時白血球数と年齢は広く予後因子として認められている。白血球数と予後との相関は連続関数であるため、治療により線引きが異なる。1歳以上のALLについては、リスク分類に用いられる年齢と白血球数は各研究グループによって異なる。1歳未満の乳児ALLの大多数は、MLL遺伝子再構成陽性で、生物学的に1歳以上のALLと違った特性を持つ場合が多い。
睾丸再発、T-ALLが男児に多い。
髄外浸潤
中枢神経浸潤の評価。
染色体と遺伝子
小児ALLでは70〜90%に染色体異常があると報告されている。
治療反応性
寛解導入初期に、芽球の減少速度による初期治療反応の評価や顕微鏡で検出できるレベルを超えて、1,000から10,000に1個の微小な残存白血病細胞(MRD)を検出定量して予後を予測することが可能な証拠が示された。対象は小児ALLから成人ALL、そしてAMLやリンパ腫、再発例の予後予測、造血幹細胞移植後の予後予測での有用性まで検討されている。これらは診断時の予後因子とは独立した予後予測因子とされているが、染色体・遺伝子異常のうち強い因子とは相関がある。

プロトコール別治療内容

JACLS/ALL-02/治療内容

1995年に各地域の小児白血病研究者が集まってJACLSを立ち上げた。1997年にALL-97を開始し、さらに2002年よりALL-02研究を開始するに至る。ALL-02研究ではステロイド反応良好群と不良群に大別し、後者はEX群、前者は診断時白血球数と年齢などの因子により規定されるSR群とHR群にわけた。治療内容はALL-97より全般に強化されているが、診断時白血球数100,000/μL以上のT-ALLを除き、全例中枢神経への予防的放射線照射を行わない。

TCCSG/L99-14/治療内容

本格的な無作為割付比較試験は1981年のL81-10から開始。L84-11、L89-12、L92-13、L95-14、1999年よりL99-15プロトコールが開始された。

CCLSG/ALL-941/治療内容

CCLSGでは1981年の発足以来、年齢初診時白血球数のみで層別化し、これまでに、811、841、874、911、941の5つのALL治療研究が行われ、その治療成績は着実に向上してきている(ALL-941研究は2000年1月にて登録終了)。全体に心毒性のあるアントラサイクリン系薬剤の投与を極力抑え、代わりに晩期障害の可能性の少ない代謝拮抗剤の使用を増加。ALL2004プロトコールにおける初発期データと、第13週のMRD(微小残存病変)に基づいた2段階の層別化。

1段階

SR:標準危険群
白血球0〜50,000 かつ 年齢1〜10歳
HR:高危険群
白血球50,000〜100,000 または 年齢10〜19歳
HHR:超高危険群
白血球100,000以上

2段階:中枢神経浸潤に関して

CNS1
髄液赤血球数が10/μL未満で 細胞診が陰性
CNS2
髄液赤血球数が10/μL未満で白血球が5/μL未満かつ細胞診が陽性
CNS3
髄液赤血球数が10/μL未満で白血球が5/μL以上かつ細胞診が陽性

CNS1とCNS2は第15週までの髄注回数が違うだけで第15週以降は同じレジメンとし、CNS3には頭蓋照射を行うため別レジメンとした。2段階の層別化後に第15週以降のレジメン治療が決定され、MRD陰性群にはSR,HR,HHRのレジメンの治療が行われ、CNS3およびHHR群に頭蓋照射が行われる。MRD陽性群には、より強い強化療法を組み込んだSalvage(1)およびSalvage(2)が行われる。

乳児ALL/MLL98study/ALL2004/治療内容

MLL98studyは寛解早期の同種幹細胞移植をめざした治療法である。2003年3月までの中間分析では治療成績の向上が認められている。特に6ヵ月未満の症例で治療成績が改善し、多くの長期生存例をもたらしている。しかし依然として寛解早期の再発が多く、移植の時期に関する見直しが必要である。MLL03プロトコールでは晩期障害を考慮し放射線全身照射のない幹細胞移植を行うこととした。

T-ALL/治療内容

T細胞型急性リンパ性白血病は9歳以上の男児に多い、白血球数高値や臓器腫大・縦隔腫瘤など白血病細胞量が多い。T-ALL治療戦略においてはL-asparaginase(ロイナーゼ)が極めて重要となる。欧米では難治性T-ALLへの有効性が期待できるnelarabine(ネララビン)、同じく難治性B-precursor ALLへの有効性が期待できるclofarabine(クロファラビン)が導入され、これまで同種造血細胞移植以外に治癒を期待することができない、または同種造血細胞移植後の再発が多い難治例に新たな展望が開けてきている。pegaspargases導入により本邦のT-ALL治療成績がさらに向上することが期待される。

急性リンパ性白血病アルゴリズム

1歳以上

急性リンパ性白血病アルゴリズム 1歳以上

1歳未満

急性リンパ性白血病アルゴリズム 1歳未満

B-ALL

成熟B細胞性リンパ腫の治療に準じる

※小児白血病・リンパ腫の診療ガイドライン 2007年版 (2007)より引用

引用
作成:2008-9-18 23:14:25    更新:2008-9-18 23:14:25
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