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小児がんの晩期合併症(晩期障害)

晩期合併症(晩期障害)とは

晩期障害とは「治療が終了した後に残った障害」のことです。(昔は晩期障害といっていました)。ただこの言葉があまり良くないのではないかというご意見もたくさんあります。たとえば後期合併症という言葉のほうがよいのではないかというご意見があります。英語ではLate Effect(遅発効果)といい、たしかに「障害」とはなっていないのです。ですから日本のこの呼び方がいいかどうかというのは非常に問題です。これらは必ず出現するわけではないのですが、治療終了後も長期にわたって経過をみていく必要があります。

子どもが難病と告知され、「命が助かれば・・・」そんな思いで治療を受けました。そして治療が進むにつれ、副作用や晩期障害に苦しむのではないかと不安になり、資料を読んでいても「副作用」「晩期障害」「再発」の文字に気をとられ、ほかの文章は頭に入ってきませんでした。告知のときに頂いた治療に関する資料には、それらの文字だけが蛍光ペンで色づけされたまま残っています。

いつ頃、どのような障害が発生する可能性があるかを知っておくことは大切なことだと思いこのページを作成しました。知っていれば、もし何かあってもすぐに対応できるからです。あなたのお子さんが困難を乗り越えて行けますように祈っています。(管理人・はな)

不妊・出産

白血病や悪性リンパ腫の治療で使用する抗がん剤は、直接、精巣や卵巣に影響を及ぼし不妊となることがあります。とくにアルキ化剤といわれているサイクロフォスファマイド、アイフォスファマイド、メルファランなどで、その頻度が高いといわれています。そのほかプロカルバジン、ビンブラスチン、サイトシンアラビノシド、メソトレキセートなどでも不妊のおこりうることが知られています。

造血幹細胞移植では、化学療法や放射線照射により性腺が障害され、不妊となる確率は高いとされています。移植後に生児を得た報告は1999年で250例ですが、近年前処置の方法の検討や、精子バンク・卵子バンクなどの整備により出産の報告が増えてきています。女子の無月経に対しホルモン補充療法を施された場合、約40%に周期的月経の回復があるといわれています。小児の場合では精子や卵母細胞を保存することは難しい場合が多いと思われます。

妊娠率を調べた報告では、一般の女性に比べ、妊娠率がやや低いと報告されています。ただし実際に妊娠した場合の経過に問題はなく、出生した新生児は健康であるといわれています。流産、死産の確率、生まれた児に奇形が発生する確率は、一般女性と相違がないといわれています。また出生した児の悪性腫瘍発生率も遺伝性のがんを除いては、高くないといわれています。

従来の白血病に対する抗がん剤治療後に妊娠する人の割合は低くなく、生まれた子どもの特別な異常も報告されていない。全身の放射線照射を併用した造血幹細胞移植では、妊娠困難と思われていたが、母子ともに元気で出産した報告も増えた。健康と思われる人に子どもができない場合もあるので、小児がんの治療法によって妊娠率がどの程度異なるのかも含めて、今後検討すべき課題である。

低身長

殆どが頭に放射線照射を受けていらっしゃる方なので、おそらくそれが非常に大きな原因になっていると思います。最近は色々な白血病のプロトコールから放射線照射が取り除かれてきました。放射線照射をしなくても最近ではいい治療ができましたので、中枢神経への浸潤をおこさないだろうといわれています。また低身長の治療として成長ホルモンなども使えるようになっており、少し身長ののびが回復していらっしゃる方もいます。

歯の問題

歯牙の異常は放射線の影響が強いと言われていましたがそれだけではないようです。放射線を頭に照射されていない方でも歯に様々な異常が起こっていることが最近わかってきました。歯というのは遺伝もありますので、本当に治療だけでなったかといえるかどうかは難しいことでもあります。

神経の障害

神経には中枢神経と末梢神経がありますが、主に中枢神経の障害ということで取り上げられることが多いようです。症状がなくても頭部のMRIを撮りますと、色々異常のみられる方がいらっしゃいます。

神経障害は、脳腫瘍の治療影響、それから白血病で中枢神経浸潤された方、あるいは中枢神経浸潤予防のための治療により起こることが多いわけですが、治療中に脳炎を起したり、髄膜炎を起こしたり、脳出血や脳梗塞を起された方の中にも神経障害がずっと残ってしまうことがあります。その他、抗がん剤も神経障害を起すと言われています。

  • オンコビン ・・・ 末梢神経的な障害を起すことがある。
  • ロイナーゼ ・・・ 血栓症を起すことがある。
  • プレドニン ・・・ 精神症状を起こす。
  • キロサイド ・・・ 白質脳症を起すことがある。

心機能障害

アントラサイクリンという薬では慢性の心毒性が起こるといわれています。これは使った量が、多ければ多いほど蓄積性に心臓に異常を起すという薬です。この薬を使うことによって初めて小児がんが治るという場合も多くありますので、使わないわけにはいかない薬のひとつです。

心機能の検査として心電図や心エコーなどの検査をして心毒性を見ていくことが必要です。何年かに一度はある程度検査をするべきではないかと思っています。小さいときにこういった治療を受けていらっしゃる方が、年を取っていくということで、間接的には何か心臓に重荷をかけているということになりかねないのです。やはり検査をして評価をしてどこまで運動できるかということを見ていくのがいいのではないかと思います。

C型肝炎

輸血にかかわる肝臓の話です。B型肝炎は比較的少なく、C型肝炎は1992年に抗体検査ができるようになり、それ以降はほとんどうつる方はいらっしゃいません。感染したとしても、インターフェロン治療をすることによって約30%の方はウイルス排除ができます。3型、4型(ウイルスの型)はインターフェロンで治りやすいといわれています。何の治療もしなくても自然経過でウイルスがなくなっている方もいらっしゃいます。

予防接種の抗体

風疹に限っては比較的抗体の保有率がよく、1回予防接種をしているとほとんど大丈夫。はしか、おたふくは35%、水痘は40%の方が予防接種をしても抗体のついていないこと、とくに治療後すぐ予防接種した場合に抗体が落ちてしまうことが多いということがわかりました。

二次がん

二次がんというのは非常に大きな問題で、せっかく小児がんが治ったけれども、またがんになってしまうという恐ろしいものです。薬の影響、放射線の影響が多いといわれています。喫煙や偏った食生活などは、大人になってからの癌を防ぐためにも、避けるべきです。

二次がんのなかで比較的多い二次性白血病について

二次性白血病とは
その白血病が再発するのではなく、白血病やその他の小児がんの治療により、たいていの場合は異なった種類の白血病が新たに発生することをいいます。
原因
VP16(エポシド)という薬が原因となり、その薬を使い終わって半年から3年後に、このような白血病を発症することがあります。またサイクロフォスファマイドやメルファラン、ブスルファンというアルキル化剤では、使い終わってから5年から7年ぐらい後にこのような白血病が出てしまうことがあるといわれています。どのような型にこういった二次性白血病が発生するかということはまだよくわかっていません。

心理的な問題

身体的な問題の他に、心理的なことも大きな問題です。再発の問題、周囲とうまく関係がとれない、将来の不安、自分の容姿の問題、治療時のこわかった思い出などいろいろなことが心理的問題を生じさせます。登校拒否、摂食障害、心理的外傷ストレスPTSDといっているものなどあります。

参考
作成:2007-9-12 21:02:09    更新:2007-9-12 21:02:09
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