白血病の「疑い」から「確定」へ

2004年9月1日 小児がんの告知

ふわふわ。り夫は仕事中ですぐに来ることができない。今朝のことを根に持っていた私は、夫が来る前に結果を教えてほしいと頼んだ。結果が出ているというのに、この状況で一秒でも待たされることは耐えられない。主治医が病室に来る前に、私は夫へ電話をした。

薄暗い病室の一角。カーテンが閉められ、小さな空間に私と次男がいた。医療機器の音や子どもの泣き声も聞こえたが、どこか遠くに感じる。まるで私たちだけ異空間にいるようだ。そこに医師がふたり入ってきた。説明をするのに場所を変えようかと言われたが、次男をひとりにすることができず、ベッドサイドで聞くことにした。

骨髄検査の結果、白血病であることがわかった。泣くまいと、血がにじむほど強く唇を噛み締める。その場にいることが精いっぱいで、医師の話は理解するに至らなかった。

職場から駆けつけた夫も医師から説明を受けた。涙ひとつ見せず気丈に振舞っていたが、「トイレに行く」と出かけたままなかなか戻ってこない。しばらくすると真っ赤になった目を隠すように私の前を横切り、ベッドサイドの椅子に静かに腰をおろした。かすかに震える小さな声が聴こえた。
「また今度、公園に、行こうな・・・」
次男の頭をそっと撫でる夫の笑顔が、とても悲しそうだった。

最後の夜

その夜は40℃以上の熱が続き、解熱剤を使っても効果がない。41℃に達したときは、最悪の事態が脳裏をかすめた。脳に障害が残るのではないか・・・このまま私の前からいなくなるのではないかという恐怖と闘いながら、小さな手を握って祈り続けた。

暗い部屋の中で、なぜこの子が白血病になったのかと原因を考えた。何も悪いことをしていないのに、どうしてこの子が白血病にならなくてはいけなかったんだろう。私の行いが悪かったから? どうして私ではなくこの子なの? 神への怒りがふつふつと湧く一方で、どうかこの子の命を奪わないでください、私の命に代えてこの子を助けてやってくださいと、天を仰いで必死に祈る。そして、病気を防げなかったことと、早く見つけることができなかった自分を責め続けた。暗闇が深く静かな病室で、長い長い夜を過ごした。