病気の子どものきょうだいの様子

入院中

かずきが白血病だとわかったのは9月1日。幼稚園の始業式でしたが、幼稚園を休ませて一緒に病院へ連れて行きました。入院して詳しい検査をすることになり、荷物を取りに家に帰っている間も、医師と話をしている間も、よしきはおとなしく待っていてくれました。私は、まだ5才のちいさな息子に大きな荷物を背負わせていたのかもしれません。

転院し、24時間付き添い入院生活が始まりました。私が付き添い、仕事の帰りが遅く家事のできない夫によしきを任せることができないため、私の実家に預けました。夫は一人暮らしになり、それぞれの生活が始まりました。夫の実家は九州でしたが、幸いなことに私の実家は2キロほどしか離れていない場所にあったため、よしきの幼稚園の送迎や夫の食事や洗濯、掃除の世話も母がしてくれました。

私は病院から出ることができないため、入院生活に必要なものは母が毎日のように届けてくれました。最初は一緒に病院までついてきたよしき。「寂しい?」と尋ねると、いつも「おばあちゃんがいるから寂しくない」と答えました。私はその言葉に甘えていたのです。。。よしきは、自分が「寂しい」と言えば私が困るだろうと気をつかっていました。

日曜日の昼前から消灯前まで夫と交代したときは、足りないものを買いに行ったり、インターネットで病気に関する情報を集めました。付き添いながら不安でいっぱいになり、病院内では集められない情報を得ようとインターネットで検索してみるのですが、初心者の私はパソコンを扱うことさえ上手くできず、検索方法もどんな言葉で検索したらいいのかもわからず、十分な情報は得られませんでした。

よしきの心

知らなでいることが、とても恐ろしかった。すべてを知らなければ、前に進めなかった。頭の中はかずきと白血病のことでいっぱいになっている私を見ながら、よしきは寂しい気持ちをぐっと我慢していたでしょう。それは1枚の絵に描かれていました。9月7日、幼稚園で描いた絵です。「みんなで市民プールに行ったこと」と書いてありましたが、ここには一緒に行ったはずの私とかずきが描かれていませんでした。よしき(左)とお父さん(右)の表情も、楽しそうには見えません。

そして何よりも驚いたのは、青いクレヨンで力強く描かれた線。よしきの隣にもうひとり描くはずだったのか、肌色のクレヨンも見えますが、それを塗り潰すように青いクレヨンが荒々しく画用紙の上を動き回っています。
自分を制御している時に、子どもは青色を使うそうです。(末永蒼生・著/答えは子どもの絵の中に―色で読む子どもの心と才能より。青色=制御のほかにも解釈があります。詳しくは本をご覧ください。)

この絵を見たのは、卒園前にまとめて持って帰ってきた「さくひんぶくろ」を開けたときでした。この1枚の絵を見て涙があふれました。私はなんてダメな母親なんだろう。よしきはこんなに我慢していたのに、私は・・・。