輝く子どもたち 小児白血病 完治の記録

医療における子どもの人権

これが果たして「治療」なのかと、疑うことが何度もあった。

息子の泣き叫ぶ声が処置室から聞こえる。
「お母さんはここで待っていてください」ピタリと閉められた扉にはりついて待っていると、息子が暴れる音も聞こえてくる。廊下で待っている間、恐怖で体が震えた。そして処置のたびに、これと同じことが繰り返されたのだ。

第2回小児がん専門委員会資料「医療における子どもの権利等について(増子参考人提出)」の中にあった「親に付き添われる権利について」に共感した。

 子どもは、たとえ入院しているときであっても、また、医療機関等で処置を受ける最中も、親や親替わりの人に付き添ってもらえる権利を有する。
 子どもが親に付き添ってもらえる権利を直接的に妨げるのは、面会制限や処置時に親を退出させる等の取り扱いであるから、まず、医療機関や医療従事者は、正当な理由がない限り、そのような取扱いをしてはならない。

採血の付き添いに関して、多くのお母さん方から共感の声が届いた。完全看護の病院は、子どもがどのような状況であっても、定時になると追い出されるという話は珍しくない。

「なぜ?」医療者に問うと、「決まりだから」とあっさり返ってくる。付き添うことができない理由を聞いても、医療者側の都合ばかりが並べられる。体は治ったとしても、心のケアは期待できないことが目に見えているのだ。

子どもが処置の時に暴れないように、腕を体につけてバスタオルでぐるぐる巻きにしたり、大人数人でおさえつけたりする方法が手っ取り早いのだろう。しかし、それで子どもの人権は守られているのだろうか。

子どもは、私たちが思っているよりも状況を把握し、まわりの大人をよく見ている。暴れさせない方法を親が模索したところで、本人が納得していなければ何の効果もない。暴れさせないようにするには、本人の「がんばる力」を引き出すことだと私は思う。

まずは直接子どもに尋ねてみて、返ってきた答えに親が共感する。話が立ち止まったり横にそれたりしたときは、自分で答えを見つけ出すためのヒントを与えてやればいい。時間はかかるだろう。焦らず見守ってほしい。

そして、子ども自身がその方法を見つけた時に、親は力を貸してやることができる。医療者への交渉もそのひとつ。言いづらいかもしれないが、勇気を出して話を切り出してほしい。

晩期合併症のことも含め、小児がん治療の課題は多く残されている。小児がんの治療を受けた子どもたちが病気を受け入れて克服し、健やかに成長していくには、体だけでなく心のケアも重要なのだ。私たち親にできることは何か、まずは自分自身と向き合っていただきたい。

 

小児がん専門委員会 参考人 弁護士・増子孝徳さん記事
朝日新聞「医療を受ける子どもにも説明を」

PTA役員「やってもいいよ」という人が立候補しやすい流れと環境をつくる

PTA役員選出の時期になった。役員未経験者や、経験していても選出対象になっている方には胃が痛くなる懇談会になるだろう。今回、中学校は会長・副会長・専門委員長推薦用紙、小学校は役員経歴調査票と立候補を募る文書、役員選出規定を配布した。

昨年と一昨年(長男が5・6年生の時)は、小学校の広報委員長を務めた。どちらも立候補して委員長になったのだが、もともとPTAや学校のことにまったく無興味がなく、どちらかといえば避けて過ごしてきた。だが、子どもが卒業するまでに必ず1回は役員にならなければいけないと聞いていたので、子ども会役員との兼任を避けるために役員になり、簡単な仕事だと思って安易な気持ちで広報委員長を引き受けた。

委員長1年目は、何をどうしたらいいのかさっぱりわからず苦労した。2年目は力が入りすぎて衝突することもあったが、充実していて楽しい思い出もたくさんできた。今年度は立候補があったのでPTA活動から少し離れて休養したので、来年度は中学校で広報委員に立候補しようと思う。委員長に立候補したのだが、規定によると広報委員長選出対象の学年ではないため無理だと判明。副委員長としてサポートすることにしたのだ。

「みんな役員なんてやりたくない」そう決めつけて選出していないだろうか。立候補するのは珍しい? そんなことはない。友達と一緒だったらやってもいい、この委員会だったらやってみたいという方もいる。この3年間で、私を含め5人のお母さん方が委員長に立候補した。委員長が決まっているんだったらやってもいい、という人たちもいた。どんな理由であれ、すんなり決まるのはいいことだと思う。

長男が小学1年生の時の学級懇談会で、役員を引き受けられない人はその場で理由を話さなければいけなかった。本当のことを話さなければ認めてもらえないような雰囲気だったので、私は次男の病気と現状を話した。なぜこんなことを人前で話さなければならないのかと、涙があふれてきた。詳しく話す必要はなかったということをあとから聞いたが、みんなに伝わってしまったことはもう消すことができない。

そんな体験があったので、私は、事情があるのにその理由を話せない人を無理に引っ張り出すことはしたくなかった。「役員選出方法を変えよう」と動いたのは、広報委員長2年目のことだった。役員選出を2回経験しているので、その経過がわかる。前年度とその年の学年学級委員長と連携し、会員の意識調査や今まで曖昧だった役員選出に関わることを広報紙で取り上げた。同じ人が何度もやらなくてもいいように、また「やってもいいよ」という人が立候補しやすい流れと環境をつくることが目的だ。数年後にはスムーズに役員選出を行えるよう、現在はまだ試行錯誤を繰り返している。

中学の本部役員会でも、立候補を募ってみようという話になったそうだ。何かを変えることは簡単にいかないけれど、文句ばかり並べていても何も始まらない。それは学校以外でも同じ。数年前に、「子どもが採血する間、親を付き添わせてください」と看護部長さんへ訴えたが、大きな変化はなかった。いまだに原則として付き添いは認められていないが、看護師さんたちの意識は大きく変わったと思う。彼女らの細やかな配慮はは、大きな変化以上に価値がある。PTA役員選出においても、個々の意識を変えることがよりよい環境づくりにつながっていくのではないだろうか。

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